2月4日、一年ぶりとなる映像美術史コンサート
「カラヴァッジョ、扮装の美学」が終了いたしました。
お陰様で大変ご好評をいただき、満席御礼となりました。
今回のテーマは16〜17世紀に生きたイタリアの画家「カラヴァッジョ」、
その絵画から読み取る、彼の芸術作品に隠されたセクシュアリティの謎。
野村幸弘さんが創る官能的な題材の約20分の映像(字幕付き)を上映しながら、
坂野嘉彦さんの書き下ろし新作音楽を、私がピアノの生演奏で映像にピッタリ合わせて初演する、
という、いつもながら中々スリリングなコンサートです。
*因みに、楽譜には下記の写真の様に要所要所にフィルムの画面をコピーして貼り付け、
リアルタイムで映像とピッタリ合っているか細かくチェックしながら演奏してゆきます。
また本番の会場は真っ暗なので、譜面台のミニランプの灯りのみで弾きます。
鍵盤と手元は何となく...しか見えません。*
ピアニストにとっては、かなり心臓に悪い企画ではありますが、
本番はバッチリのタイミングで映像と音楽が合い、ホッと胸を撫で下ろしました。
そして今回は、曲の一部にゲストのソプラノ歌手ソフィア・カルヴェラさんも加わって下さり
真っ暗な中でも、共演者がすぐ横にいてくれる嬉しさを味わう事が出来ました。
映像美術史以外のプログラムは、イタリア・バロック・扮装・セクシュアリティーと、
様々なテーマから想像を広げた選曲で、ヴィヴァルディ、ヘンデル、ラモー、
フォーレ、ショパン、坂野、そして自作新曲、などなど。
プログラムを考える時点から本番の演奏まで本当に楽しかったのですが、
一つだけ頭から抜け落ちていたことがありました。
それは、今回のプログラムではピアニストが休む間が全く無い、ということ。
それを実感したのは、いつもの様に自分でプログラム冊子の印刷原稿を作り
データに並べてみた時。「あれ?他の人のソロって無かった?」
ボンヤリではありますが、時すでに遅し。
「まぁ昨年のリサイタルを思えば、時間的には同じだよね!」ということで、、。
実際、当日開演するとコンサートは驚くほどあっという間に過ぎてしまい、
終わってしまえば、嬉しい気持ちと共に「ちょっと淋しいなぁ」と、心の隅で思うのです。
.....これも、やはりいつもの事。
しかし何と言っても、東京の大雪をギリギリで免れ、ご予約のお客様全員がお越し下さり、
お客様出演者共に、無事にそして楽しくコンサートを共有出来たました事に
今は心から感謝しています。
コンサート詳細、当日配布のプログラム冊子など、下記のボタンより
映像美術史コンサートのサイトにてご覧いただけます。
追ってコンサートのダイジェスト・ムービーもアップの予定です。